奈良を知る

住宅用建材

主な産地 五條市、宇陀市、吉野町、大淀町、下市町、黒滝村、天川村、野迫川村、十津川村、下北山村、上北山村、川上村、東吉野村
特徴 奈良の木は年輪幅が細かく均一で、密度が高いことから、一般的なスギやヒノキに比べて強く、たわみにくいという性質があります。スギのヤング係数の全国平均値はE70ですが、奈良の木の平均値はその1.3倍のE90です。またヒノキでも、奈良の木ではE110が平均であり、全国平均値を上回っています。

スギの心材は、ほかの地域のスギには見られにくい赤み混じりの上品な色合いです。その独特な色合いは、古くから愛され、高級和室の内装などにも使われてきました。白くて美しい辺材は清潔感が魅力的で、高級割り箸などに加工されています。また、ヒノキは清潔感と高級感を漂わせる白地に、繊細で品のある淡いピンク色が絶妙に映えます。このような色合いを楽しむことができるのも、美しい色が特長である奈良の木だからこそです。
また、奈良の木は一般的な材に比べて年輪幅が狭いため、同じ樹種で比較した場合、シロアリに強い傾向があります。

木の芯材・中央部分は赤身、辺材・外側の白っぽい部分は白太といいます。昔は水に強く耐久性のある赤身だけが使われていました。赤身と白太が混ざった「源平」と呼ばれるものも造作、化粧材、ドア材などに人気があります。
※「源平」は、源氏が白旗、平氏が赤旗を掲げて戦ったことに由来。

昔は梁といえば松の木をよく使用していました。梁は見えないように天井の中に隠されているものですが、最近は天井の構造材をそのまま見せる「現し天井」という工法も人気があり、吹き抜けに見せ梁を施した店舗や住宅も増えています。