郷土料理

ずいきの煮もの

特徴 「ずいき」とは里芋の葉柄のことで、唐の芋や八つ頭などの赤茎系品種の葉柄は、アクが比較的少なく、ずいきに向くとされている。皮を剥いて乾燥させたものは「芋がら」と呼ばれる保存食で、もどして煮物や味噌汁の具として利用される。里芋の収穫の時に採れたずいきで「芋がら」をつくることが多い。
奈良県には、このずいきを新聞紙で巻き、軟化栽培した「軟白ずいき」が大和の伝統野菜に認定されている。まっ白い葉柄が美しく、高級食材としての地位を確立し、市場に出回る事のない幻の食材とされており、奈良市狭川地区で現在も生産、販売されている。
歴史 ずいきの歴史は古く、天平時代に芋茎(ずいき)が利用されていたことが「東大寺正倉院文書」に記載されている。水田が多い奈良盆地では、豊富な水資源を背景に、古くから良質な里芋が生産され、それに伴いずいきも日常的に食されてきた。ずいきを使った料理は、煮物や酢のもなど一般的な家庭料理として親しまれている。