郷土料理

でんがら

特徴 「でんがら」は、餡を包んだ餅を朴の葉(ほうのは)でくるんだ伝統菓子。東吉野村と川上村では、端午の節句に粽(ちまき)と「でんがら」をつくる風習がある。どちらも男の子の立身出世・子孫繁栄・無事成長を願い現在に至りつくられてきたもので、その形から男のシンボルを象ったものとも伝えられている。
歴史 四方を山に囲まれた川上村では米をつくる水田が無く、その代用としてとうきびや粟などの雑穀を植えており、貴重な食糧源とされていた。奈良盆地より気温が低い川上村では、ちょうど6月頃に、朴の葉の新葉が収穫できる。枝付きの朴の葉を使い、1つの枝から出るたくさんの葉ひとつひとつに餡入りの餅をくるむため、くるまれた袋がぶら下がった形状をしている。これは、ひとつひとつの餅を風通しをよくし、保存食として利用されていたためといわれている。