郷土料理

蕨餅

特徴 「蕨餅」は、蕨粉に水や砂糖を加えて加熱しながら混ぜ、冷やして固めた和菓子である。特に奈良は蕨粉の名産地であった事から、奈良の名物となっている。蕨粉は、ワラビの根に含まれるデンプンからつくられており、製造に手間がかかり、取れる量もとても少ないため非常に希少価値の高いものとなっている。そのため、市販の「蕨餅」は、さつまいもやタピオカ、葛等から取れるデンプンを使用してつくられることが多い。
歴史 昔、若草山の鶯塚古墳から出る妖怪を、山を焼くことで追い払えるとの迷信があった。その迷信から若草山を通る人々が放火するようになり、東大寺境内や近隣の寺にも火が及び危険が絶えなかった。そこで、若草山に隣接する東大寺、興福寺、奈良奉行所が立ち会って山を焼くようになった。その山焼き後にたくさんワラビが生え、かつ奈良公園の鹿が食べなかったことからワラビが群生し蕨粉の産地となった。これが、古都奈良に早春を告げる伝統行事である「若草山焼き」の始まりである。