奈良を知る

素麺(そうめん)
〜冷やしても温めても美味しく食べられるので、四季を通じて食べたい。〜

主な産地 桜井市
主な季節
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
特徴 日本三大素麺の一つといわれている三輪そうめんをはじめ、県内ではそうめん作りが盛ん。しっかりとコシのある麺にするために、素麺作りは寒期(11~3月)に行われてきた。保存庫で梅雨期を経ると熟成され、よりコシが強くて茹でのびしにくい麺になる。冬季の厳しい寒さと晴天日が多いことが、素麺の製造に適していたこともあり、江戸時代のグルメ本である「日本山海名物図会」には、三輪素麺が日本一である旨の記載があるほど、その品質が優れている。2度、3度と梅雨を越す「ひね(古)」素麺を好む人も多い。
歴史 奈良県桜井市三輪は素麺発祥の地とされており、この地でつくられる素麺は三輪素麺と呼ばれている。1200年以上前に三輪山を御神体とする日本最古の神社である大神神社で、疫病と飢餓に苦しむ民のため救済を祈願したところ、神の啓示を賜った三輪の里に小麦を撒き、粉に挽き、水でこね延ばして糸状にしたものが素麺の起源とされている。油を塗って、細く伸ばす技術は鎌倉時代に中国から伝わり、室町時代にはほぼ製法が完成していた。この地の豊富な水が小麦を育み、水車製粉が発達したことにより、良質な小麦粉が製造されてきた。今でも大神神社祭神は素麺の守護神とされ、その年の三輪特産の三輪素麺の卸値を占っていただく祭典である卜定祭(ぼくじょうさい)が大神神社で営まれている。