奈良を知る

大和いも(やまといも)
〔ヤマノイモ科ヤマノイモ属〕 ☆「山薬」の名でも親しまれてきた☆ 
表皮が黒く、球形の大和いもは、肉質が緻密でねばりが強い。薯蕷(じょうよ)饅頭などの和菓子の原料や練り製品のつなぎなどに利用される。

主な産地 天理市、御所市
主な季節
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
特徴 黒皮で、形が整って凸凹が少なく、肉が濃密で粘りが強いのが特徴。御所市では皮を剥いて摺りおろし、卵と味噌汁を加えて、さらに擦り混ぜて「とろろ汁」にして食されてきた。すりおろした大和いもを海苔で巻いて油で揚げた磯辺揚げなどもおすすめ。優れた品質から薯蕷(じょうよ)饅頭など和菓子の原料や練製品のつなぎなどにも使われる。

<知恵袋>保存方法
水分が飛ぶとシワが寄ってくるため、湿らせたおが屑に埋め込んで保存するのが一番よい。おが屑がなければ、もみ殻などでも可能。家庭では新聞紙に包んで、冷蔵庫で保存するのもよい。
歴史 ナガイモが渡来する以前から、薯蕷と呼ばれていたヤマノイモが山に自生しており、「東大寺正倉院文書」にも、天皇に献上されていた野生の高級食品として登場する。昔から「山薬」の名でも親しまれている。大和いもは、江戸時代後期には県内で栽培されており、その品質の良さから戦前には関西の市場で名声を得た。