奈良を知る

大和丸なす(やまとまるなす)
〔ナス科ナス属〕 ☆焼いてよし。炊いてよし。☆ 
選抜を繰り返し、優れた形質を継承してきた大和丸なすは大和の伝統野菜を代表する品目。緻密で、煮崩れしにくい肉質で、熱を加えると甘味が増す。

主な産地 奈良市、大和郡山市、斑鳩町
主な季節
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
特徴 直径約10cm、美しい艶のある紫黒色に、その名の通り丸い形状、ヘタに太いとげがあるのが見た目の特徴。一般的ななすと比べて収穫量は1/5程度と少なく、手間暇が貴重な大和野菜。ハウス栽培で、3月末頃から出荷が始まる。京阪神はもちろん、首都圏にも出荷されており、販売額の大きい伝統野菜のひとつ。肉質はよくしまり、煮崩れしにくく、焼いても、炊いても、揚げても油を吸いすぎずねとつかないのが特徴で、しっかりとした独特の風味と食感が楽しめる。煮物や揚げ物、田楽などさまざまな調理法との相性も良く、高級食材として好評。

<知恵袋> 保存方法
1つずつラップで巻いて冷蔵庫の野菜室に入れておくと、水分が飛ばず、色の艶が落ちない。
歴史 正倉院文書に「天平勝宝二年(750)六月二十一日藍園茄子を進上したり」とあり、我が国のなす栽培は平城京の時代には行われていたことがわかる。大和郡山市平和地区や奈良市で古くから栽培されている。